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2018年12月
議案:第75~95号議案21件/議会条例:1件/報告:2件/請願:2件/意見書:4件
※他の議案は、公の施設の指定管理者の指定、市道の認定、平成30年度各会計の補正予算などです。
今議会において、長岡京市内で安全で快適な自転車の利用を推進するために、私が所属する建設水道常任委員会において委員長を提出者として「長岡京市安全で快適な自転車の利用の促進に関する条例」を提案し、議会条例として初めて全員賛成により可決されました。
今後は、議会としても自転車が関係する交通事故の防止や、自転車の秩序ある利用の促進、自転車を安全かつ快適に利用できる環境の整備へ向けて、行政と連携しながら進めていきたいと考えます。
(お願い:この記録は進藤ひろゆき・一般質問の全文です。進藤ひろゆきの「想い」を皆様に少しでもリアルにお伝えできればと、文言もできるだけそのまま掲載していますが、長岡京市議会の公式記録ではありません。どうぞ予めご了承ください。)
通告に従いまして、「災害対応について」3点の質問をいたします。
長岡京市の業務継続計画(Business Continuity Plan:BCP)につきましては、平成21年3月議会の予算審査特別委員会小委員会での総括質疑において、私から危機管理についての項目として、策定の必要性を訴えさせていただいて以来、当時の会派「民主フォーラム」、現会派「輝」の各議員を始めとして、多くの議員からいろいろな場で取り上げられてきました。
その結果、まずは平成23年前後頃からパンデミック対応に限定した内容で、業務継続計画の具体的な検討が、庁内において進められるようになりました。
そして、平成24年12月議会で、震災やICTを危機管理事象とする業務継続計画の策定が急務ではないかとの、私からの一般質問では、当時の総務部長から、「平成24年5月の防災会議において、地域防災計画の見直し方針の一つとして、業務継続計画を検討する庁内作業部会の設置が決まり」、今回は「業務継続計画が想定する危機管理事象として、市内最大震度が7と最も被害が大きいとされる、有馬高槻断層を震源とする地震を想定して」検討を進めるとの答弁があり、地域防災計画を補完する計画として、平成25年3月に「長岡京市業務継続計画(地震編)」が策定されました。
その後、内閣府(防災担当)では、平成27年5月に「市町村のための業務継続計画作成ガイド~業務継続に必須な6要素を核とした計画~」が公表されました。
今年の3月議会の予算審査常任委員会小委員会の総括質疑において、会派の綿谷議員からも少し触れていましたが、その作成ガイドの4ページにあります「業務継続計画の特に重要な6要素」を紹介しますと、
(1)首長不在時の明確な代行順位及び職員の参集体制
・緊急時に重要な意思決定に支障を生じさせないことが不可欠。
・非常時優先業務の遂行に必要な人数の職員が参集することが必要。
(2)本庁舎が使用できなくなった場合の代替庁舎の特定
・地震による建物の損壊以外の理由で庁舎が使用できなくなる場合もある。
(3)電気、水、食料等の確保
・災害対応に必要な設備、機器等への電力供給が必要。
・孤立により外部からの水、食料等の調達が不可能となる場合もある。
(4)災害時にもつながりやすい多様な通信手段の確保
・災害対応に当たり、情報の収集・発信、連絡調整が必要。
(5)重要な行政データのバックアップ
・災害時の被災者支援や住民対応にも、行政データが不可欠。
(6)非常時優先業務の整理
・各部門で実施すべき時系列の災害対応業務を明らかにする。
となっています。
しかしながら、その総括質疑での綿谷議員からの「平成30年度予算で、平成25年3月に策定された業務継続計画の改定が予定されているが、改定のポイントと時期は?」という質問に対して、市民協働部長から「現行のBCPは、庁舎は存続して市役所機能が保持されているということを前提とした計画となって」おり、「昨今の熊本地震の庁舎の倒壊事例等、現在の市庁舎の耐震性を考えた場合、庁舎の倒壊も想定した計画として、現行のBCPには反映し切れて」いないとの答弁がありました。
また「内閣府が独自に重要としている6要素」のうち、「現在のBCPで反映しているのは、非常時優先業務の整理の部分だけで」あるため、「そのほかの5つについても反映した計画としていきたいと考えて」いるとの答弁もありました。
そして、続けて「策定に当たりましては、庁内の新BCPの策定委員会を設置して、全部署が参画する全庁的な検討体制のもと、平成30年度末を目途に取り組みを進める予定で」あると答弁されています。
そこで、まずは業務継続計画について、2点の質問をいたします。
【1】現在取り組まれている業務継続計画改定版の進捗状況について、お聞かせください。
【2】地震以外の想定事象に対する業務継続計画の今後の展開について、お聞かせください。
次に、災害受援計画についてお聞きします。
先日、兵庫県神戸市の災害受援計画について学ばせていただく機会がありました。
「神戸市災害受援計画」は、“受援”の経験としての平成7年阪神・淡路大震災と、“支援”の経験としての平成23年東日本大震災のふたつの震災からの教訓などをもとにしながら、防災・減災対応の見直しの一環として、「情報処理」、「指揮調整」、「現場対応環境」、「民間との協力関係づくり」の4つの視点を踏まえて、支援を要する業務や受け入れ体制などを事前にかつ具体的に定め、あらかじめ「受援計画」としてまとめておくことで、大規模災害時に、市みずからの行政機能だけでは対応できない事態に、他の自治体や機関、民間など多方面からの支援を最大限に活かすことを目的として、「神戸市災害受援計画」を平成25年3月に策定されました。
これは、平成28年4月に発生した熊本地震を契機として、広域災害の対応における「受援を想定した体制整備」について検討された、「地方公共団体の受援体制に関する検討会」の議論を踏まえて、平成29年3月に内閣府(防災担当)から出された「地方公共団体のための災害時受援体制に関するガイドライン」よりもかなり早いタイミングでの策定となっています。
実際に、「地方公共団体のための災害時受援体制に関するガイドライン」の最後の関連資料のところには、「地?公共団体の受援体制に関する検討会」において参考とした主な資料として、この「神戸市災害受援計画」があげられています。
受援計画の内容を説明いただいた時に、担当者の方からは、“受援”の経験としての阪神・淡路大震災では、被害想定と対応業務に応じた配置のための初動を支える要員確保の必要性、国・他都市職員の支援を受けるための他都市との水道・民生・衛生などの分野別協定を含む相互応援協定の締結、応援ルールの明文化、情報交換会や合同での防災訓練の実施、受援計画の策定と周知などを、経験からの教訓としてあげられていました。
それに加えて、膨大・多様な災害対応にあたられた経験から、発災後の第1段階での初期応援では、“指揮命令系統の一元化”、第2段階での中期応援では、“「応援活動の調整やバックアップづくり」の必要性”、第3段階での長期応援では“「被災自治体の権限と財源」でまちづくりができる制度の必要性”を教訓とされています。
そして、“支援”の経験としての東日本大震災では、支援に行かれた職員さんたちのアンケートにおいて、受援に関係する部分で、支援チームとの情報共有、支援チームに対する指揮命令系統の確立、応援受入体制の整備、受援計画の充実、支援チームを受け入れる場所の確保、支援チームと当該職員のペア体制での行動、資料や地図の整備、本庁と出先の応援体制の確立、災害時に必要な業務マニュアルの整備と実践研修の実施、支援制度についての情報召集などが教訓としてあげられ、加えて、「東日本大震災の神戸市職員派遣の記録と検証-調査研究会からの報告」の中では、(1)支援受け入れ環境として支援者を受け入れるためのスペース、および地図等の資料の整備と確保、(2)支援受け入れ体制として被災自治体における支援チーム・支援者に対する指揮調整権、情報発信機能を有する派遣調整役の配置、(3)業務継続計画と連動した受援計画の策定の3つを、提言されています。
これらの教訓や、先ほどあげた4つの視点を踏まえて策定された「神戸市災害受援計画」は、全体構成として、共通事項としての「総則」と、災害別の業務ごとのマニュアルとしての「対応計画」からなっています。
まず「総則」から見てみますと、この計画は地域防災計画の下位計画として、地域防災計画に定められている業務の進め方を前提に、応援を受ける業務を対象として、それぞれのフロー等を「応援要請」、「応援受入」、「応援終了」という流れを中心に、具体的に定め、地域防災計画から独立したものとして策定されました。
そして、計画の対象としては、神戸市地域防災計画が対象としている地震・風水害の自然災害、および大規模事故を対象とし、まずは阪神・淡路大震災クラスの直下型地震について、計画を策定することとされました。
その際に、対象期間は、混乱が予想される発災時から1カ月を目安とし、復興期がピークとなる業務についても、1カ月以内にスタートする業務については、計画の対象とされています。
また、計画の発動時期については、他の自治体から先遣隊が派遣されることを想定し、「市内で震度6弱以上の地震」の場合には、計画を自動的に発動することとし、「市内で震度5強・5弱の地震発生」の場合には、災害対策本部本部員会議で検討するものとしています。
そして、受援対象業務の検討については、各局室区において、災害対応業務と経常業務の洗い出しを行い、それらの業務を、(1)経常業務のうち中止する業務、(2)各担当課で対応可能な業務、(3)支援を要する業務の3つに分類し、災害時特有の緊急業務410業務のうち、別途受援計画がある消防局と水道局を除いた118業務、経常業務のうち中止する業務を除いた、継続すべき経常業務418業務のうちから12業務を加えた計130業務を、支援を要する業務として受援対象業務に位置づけられています。
この130業務は、区役所業務は1業務として計算し、これらは市のホームページで公開されているとのことでした。
「総則」では、この他に、応援自治体、民間等からの連絡を最初に受ける総合的窓口となる、応援受入本部の体制と災害対策本部での位置づけ、および、応援に伴う費用負担について規定されています。
次に、まず直下型地震を想定して策定された「対応計画(直下型地震編)」では、受援対象業務に位置づけられた130業務の全てにおいて、受入に必要な事項、支援する側に事前にしってもらいたい事項などを記載した“受援シート”の作成、応援要請から応援受入、応援終了に至るまでそれぞれの段階で必要な事項をチェックリスト方式で確認する、受援シートと一対のものとなる“業務フロー”について規定されています。
また、この対応計画では職員さんの出勤率は、阪神・淡路大震災での資料を基に、当日約40%、2日目約60%、3日目約70%、9日目以降約90%とされています。
発生確率の高くなった南海トラフ地震では、想定被災地方公共団体は、1都2府26 県707市町村に上ると言われており、各市町村では、発災直後の受援の対応については、自組織で取り組まなければならない状況が想定されます。
このような受援計画の策定に向けて、全国の自治体が取り組むことによって、支援と受援の仕組みが効率的に機能するものと考えます。
先ほど紹介した内閣府(防災担当)の「地方公共団体のための災害時受援体制に関するガイドライン」では、“都道府県は、応援・受援計画等の策定に取り組む、市町村は、応援・受援計画等の策定を目指す”と書かれています。
京都府においては、平成30年6月に修正された「京都府地域防災計画-震災対策計画編」を見てみますと、第3編災害応急対策計画、第26章応援受援計画、第2節受援計画の第1計画の方針において、「府は、市町村に対して応援体制が整備されるよう働きかけることとする」とあります。
南海トラフ地震へ備えた取り組みとして、長岡京市でも受援計画の策定へ向けた検討を、京都府と連携しながら進めていくべきであると考えます。
ここで質問いたします。
【3】長岡京市災害受援計画の策定へ向けた取り組みを、推進することについて、市長の見解をお聞かせください。
以上で1回目の質問を終わらせていただきます。
理事者の皆様におかれましては、明確かつ簡潔なご答弁をお願いいたします。