議会報告
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2009年6月
議案:第43~49号議案7件/報告:7件/請願:1件/陳情:1件/意見書:2件
※他の議案は、阪急新駅周辺整備事業東西自由通路整備工事委託契約についてなど
(お願い:この記録は進藤ひろゆき・一般質問の全文です。進藤ひろゆきの「想い」を皆様に少しでもリアルにお伝えできればと、文言もできるだけそのまま掲載していますが、長岡京市議会の公式記録ではありません。どうぞ予めご了承ください。)
それでは、通告に従いまして、京都地方税機構について8点の質問をさせていただきます。
まず、今回のこの一般質問は、今議会に提案されている京都地方税機構の設立についての議案が付託される常任委員会において、しっかりとした質疑をするために、その前提として、長岡京市の京都地方税機構に対する基本的な考え方を確認するものでありますので、よろしくお願いいたします。
そこで始めに、京都府が現在進めている税務共同化の経過について、振り返りたいと思います。
京都府内の市長会・町村長会からの「国の税制改革による税源移譲等に伴う地方税の課税・徴収業務の強化を図りたい」という要望に基づき、京都府が外部有識者を含む「京都府税務共同化推進委員会」を平成19年5月に設置して検討を重ね、同年12月に「京都府税務共同化推進委員会」から京都府へ「税業務共同化に向けた提言」が出されたことにより、京都府と京都市を除く府内の25市町村が広域連合を構成して、課税、徴収、滞納整理などの税務共同化を進める方針が出されました。
それを受けて、平成20年3月議会において、私から「この共同化がなされた場合、これまでに長岡京市が投入してきた税務システム構築にかかわる経費や人的資源が生かされなくなる危険性」や「平成20年度から開始される税務共同化調査研究事業においては、税務の実務レベル担当者が論議にしっかりと参画し、共同化システムへの意見反映を行っていかなければならない」ことを指摘し、その税務共同化へ向けた長岡京市の方針について一般質問をさせていただきました。
そして、その質問に対して、総務部長から「不安定・不確定な要素が多く、まだまだ検討・協議が必要であると考えまして、税務共同化のための広域連合への参加は、各市町村の意見及び各事情に基づきます判断と選択、及び柔軟な参加時期の対応ができるよう、京都府に要請していく」との答弁がありました。
また、同議会においては、総務産業常任委員会の発議により「京都府と市町村の税務共同化に関する意見書」を全会一致で可決し、京都府知事へ「市民サービスの質の低下、処理経費の二重投資を招き、市町村の独自性の否定につながりかねない現状をふまえ、協議において各自治体の意見を十分に尊重し、税務共同化への拙速な対応をとられることのないよう、強く要望」をさせていただきました。
そして、平成20年4月から、亀岡市長を会長として「京都府・市町村税務共同化組織設立準備委員会」が設置され、広域連合の設立手続きや徴収・収納・課税業務とシステム設計などの具体的な検討を進め、平成21年4月9日の設立準備委員会において、広域連合「京都地方税機構」の規約案が合意されました。
しかしながら、この4月9日に開催された税務共同化組織設立準備委員会においては、規約案は合意されたものの、新聞報道によりますと、市町村長から職員体制や運営に対して注文が相次ぎ、市の正規職員による税務担当者数を上回る職員派遣を求められている城陽市長からは、「厳しい財政状況で職員を減らしている中、連合への派遣のために正職員を採用しなければならなくなる。効率化のメリットがない」との訴えもあったようです。
そして、いよいよ京都府議会と京都市を除く府内の25市町村議会において、京都地方税機構を設立することについて、地方自治法第291条の11の規定により議決を求める議案が提出をされました。京都市を除く府内の25市町村議会では、既に所管とする常任委員会で審査が終わられた議会もありますが、これから順次、京都地方税機構を設立することについての議案の審査が行われていく状況です。
その京都地方税機構規約の第4条には、広域連合が処理する事務として、
(1)地方税法(昭和25年法律第226号)に基づき構成団体が賦課した地方税及び国民健康保険法(昭和33年法律第192号)に基づき市町村が保険者として賦課した国民健康保険料に係(かか)る滞納事案のうち、構成団体が広域連合への移管の手続を行った事案に係る滞納処分及びこれに関連する事務
(2)構成団体の職員に対する賦課徴収業務に関する研修事務
(3)賦課徴収事務に関する構成団体からの相談及び支援に係る事務
(4)地方税法に基づき構成団体が賦課すべき地方税の税額を共同で算定するために必要な電算システムの整備に関する事務
があげられていますが、4月9日に合意されたとして京都府議会に提示された規約案では、(1)、(2)、(3)はそのままですが、(4)は「課税業務の共同化の準備及び業務支援システムの開発に係る業務」となっており、加えて(5)として、「社団法人地方税電子化協議会が運営する地方税ポータルシステムに係る審査サーバーの設置運営に係る事務」となっています。いつどこで、(4)の内容が変更され、(5)の内容が削除されたのでしょうか。また、その変更や削除について、京都市を除く京都府内の全市町村長は合意されたものなのでしょうか?
ここで、再び第4条の広域連合が処理する事務を見てみますと、今回発足しようとしている京都地方税機構は、(1)の「構成団体が広域連合への移管の手続を行った事案に係る滞納処分及びこれに関連する事務」が主であり、(4)「地方税法に基づき構成団体が賦課すべき地方税の税額を共同で算定するために必要な電算システムの整備に関する事務」もありますが、結局その実情は、京都府と京都市を除く府内の市町村で構成される滞納整理組合を発足させるものにすぎません。
しかしながら、大口困難案件を中心とする滞納整理については、既に平成19年8月から京都府の広域振興局などの庁舎内に「共同徴収対策室」を設置し、京都府職員と市町村職員が共同して滞納整理を実施していますし、八幡市・京田辺市・井手町・宇治田原町では城南市町村税滞納整理組合を結成して、滞納整理を行っているところです。
本来、この京都地方税機構は、課税、徴収、滞納整理などの税務の全てに係る共同化を進めるために検討されていたはずです。京都府議会の常任委員会における質疑においても、課税業務まで含めて初めて経費的に効果が出るという答弁があったと聞き及んでいます。
なぜ、この時期に滞納整理業務だけを優先した形で、京都地方税機構の設立を急がれるのでしょうか。そして、この規約において、初めて広域連合に対する、長岡京市が負担すべき具体的な負担金について、第17条の別表に基本負担額・人口割額・税収割額・滞納繰越額割額の提示がなされました。この長岡京市が負担を求められている京都地方税機構への負担金に対して、どれぐらいの滞納分の収納が見込めるのでしょうか。また、この負担金に加えて、先ほど4月9日の設立準備委員会での城陽市長の話で言いましたように、長岡京市からも京都地方税機構への正規職員の派遣も必要です。
第4条で規定されている事務内容では、例えば現年分の納税通知書の発行事務などは入っていないと判断されますので、残るほとんどの事務は市町村が従来どおりに、自前の職員で対応しなければなりません。長岡京市で税務にかかわっている貴重な職員を、京都地方税機構に現時点で求められている人数分を派遣して、長岡京市役所としての税に関する業務を、市民サービスを低下させることなく、対応することは可能なのでしょうか。
最後に、平成20年6月議会での小原議員の課税自主権に対する考え方を問う一般質問において、小田市長から「課税自主権という市町村長の専権事項については当然のことであり」、「京都府も含め基本認識を共通にして進めて」いるとの力強い答弁がありました。私も、市町村長の専権事項である課税自主権を侵害するようなことは許されるべきことではないと考えているところですし、さきほどの市長の答弁にあります「京都府も含め基本認識を共通にして」というところは、京都府も市町村の課税自主権を侵害するつもりはないとの共通認識で間違いないのでしょうか。
京都地方税機構の設立により、コンビニエンスストアでの納税、電子申告エルタックスの活用や差押財産のインターネット公売など、これらについては市民サービスの向上や徴収率の向上につながると期待されるところではありますが、以上述べましたことを踏まえて、8点の質問をさせていただきます。
【1】指摘させていただいた規約の中の第4条における条文内容の変更と削除については、どのような経過でなされたものなのか、長岡京市としては認識されていますでしょうか?
【2】この変更と削除については、税務共同化組織設立準備委員会に対して、小田市長は合意されたのでしょうか?
【3】現時点で長岡京市が京都地方税機構に派遣を求められている正規職員については、先ほどの武山議員からの同じ質問で6人との答弁がありましたので、この質問は割愛いたします。
【4】現時点で長岡京市に求められている京都地方税機構への負担金については、昨日の大谷議員と先ほどの武山議員の質問に対して、平成22年度については約6,300万円との答弁がありましたが、今年度と平成23年度以降については、どれくらいの額になるのか、把握されていますでしょうか?
【5】その負担金に対して、滞納分の徴収については、どれぐらいの効果が見込めるのでしょうか?
【6】課税業務については、平成23年4月から進めていくことで検討がなされていますが、改めて長岡京市の課税自主権に対する考え方をお聞かせください。
【7】その長岡京市の課税自主権に対する考え方は、京都府も共通認識されているということで間違いないのでしょうか?
【8】京都地方税機構の税務共同化において、長岡京市として許容できる課税業務の範囲について、現時点での考え方を具体的にお聞かせください。
以上で1回目の質問を終わらせていただきます。理事者の皆様におかれましては、明確かつ簡潔なご答弁をお願いいたします。