議会報告
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2004年3月
議案:第1~36号議案36件/諮問:1件/報告:2件/請願:1件/陳情:1件
※他の議案は、市長等五役の給料減額の継続、図書館の開館時間延長など
長岡京市第3次総合計画の実現は、平成18年度から始まる5カ年の第2期基本計画に、その成否がかかっています。そのためにも平成16年度は、職員さんの意識改革も含め、将来を見すえた行財政改革を策定し、実行していかなければなりません。行財政改革の実行と、一律の減額による予算編成での「減量経営」から、事業の選別による予算編成での「政策経営」への転換をこれからも訴えてまいります。
(お願い:この記録は進藤ひろゆき・一般質問の全文です。進藤ひろゆきの「想い」を皆様に少しでもリアルにお伝えできればと、文言もできるだけそのまま掲載していますが、長岡京市議会の公式記録ではありません。どうぞ予めご了承ください。)
通告に従いまして、大きく5項目について、合計17点の質問をさせていただきます。
まず、1番目の「平成16年度予算編成について」です。
平成16年度の予算は、JR長岡京駅西口再開発を核とする市街地再開発事業を最重点事業とするとともに、「創造と共生で住みつづけたい長岡京」の具体化へ向け、1)活力とにぎわいのあるまちづくり、2)緑と景観が誇れるまちづくり、3)安心安全で住みよいまちづくりの三つを重点目標として編成され、今議会に議案として提出されました。この予算は、各課からの予算要求の段階では、約24億円の収支不足となる厳しい財政状況の中、平成16年度の経常的な事業において各部局の長に予算編成権の委譲が行われ、一般財源のうち約33億円を各部局に配分し、配分された財源の範囲内で事務事業の廃止や縮小、実施方法の変更、事業の新設、拡充等を各部局の判断で行う、いわゆる「枠予算制度」が導入されました。株式会社官公庁通信社発行の「会計検査情報 No.2499 平成15年7月17日号」によりますと、パシフィックコンサルタンツと株式会社官公庁通信社が全国の市と特別区を対象に行った「行政運営改革に関するアンケート調査(調査対象697市区。有効回答数253、回収率36.3%)」では、「枠予算制度」に関しての回答で、導入済が20%、検討中が36%と合計で56%が導入済ないしは導入へ向け検討しているとの結果がでており、自治体の関心の高さがうかがえます。先の12月議会で、小田市長に平成16年度予算編成における意気込みや見直しの視点について、梶原議員から一般質問をいたしました。市長からは、“事業を実施し、市民ニーズを把握している各部局のマネジメントのもとで、真に必要な施策の選択を行い、限られた財源の効率的、重点的配分に徹すること”が「枠予算制度」のねらいであるとの答弁をいただきました。そこで、予算編成を終えられた今、この「枠予算制度」について、3つの質問をさせていただきます。
【1】 「枠予算制度」で配分された一般財源約33億円の内訳を部局別に教えてください。
【2】 この予算編成において、12月議会で答弁された「枠予算制度」導入のねらいは達成されましたでしょうか?また、どのような成果があったか、事務事業の廃止や縮小、実施方法の変更、事業の新設、拡充などの具体例なども含めてお聞かせください。
【3】 今回導入された「枠予算制度」の課題がありましたら、今後の改善策も含めてお聞かせください。
次に、2番目の「行財政改革について」です。
長岡京市の行財政改革は、「長岡京市行財政改革大綱」に基づき、主要な項目についての数値目標が設定された、平成11年度から平成15年度までの計画が、いよいよ最終年度を迎えあと1カ月と少しで終わろうとしています。フォーラム21では、これまでに退職時特別昇給のあり方や東京都千代田区での行財政改革の数値目標の条例化などをとりあげ、長岡京市での行財政改革のあり方について一般質問をさせていただきました。今回は、皆さん既にご存知だと思いますが、「横浜リバイバルプラン」として有名な、横浜市での行財政改革の取組について紹介いたします。横浜市では、“民の力が存分に発揮される都市・横浜の実現”という理念の実現をめざして、市民の活力の発揮や企業の活性化を図り、横浜を再発展させるための自治体経営の戦略として「横浜リバイバルプラン」が策定されました。「横浜リバイバルプラン」は平成14年度から18年度を計画期間とし、政策目標を明らかにした「中期政策プラン」、持続可能な財政の確立を図る「中期財政ビジョン」、そして、行政運営のあり方と取組課題に対する改革の方向性を示す「新時代行政プラン」からなり、それぞれが連動してなりたっています。その中のひとつである、「新時代行政プラン」は行政改革計画であることを念頭に置きつつ、単に人員・組織の削減や行政コストの縮減を第一の目標に掲げた従来型の行政改革ではなく、市の全ての事業・事務について、行政が自ら行うべき公的サービスかどうか、より効率的な執行方法とはどのようなものか、原点に立ち返って検討・見直しを行い、行政運営の仕組みや手法について、すべての組織と職員が、市民や企業の感覚を大切にし、成長・拡大を前提としたあらゆるシステムの見直しによって、抜本的に行政運営を改革していくことを目標に策定されたものです。具体的には、新しい行政運営の基本理念を「協働」、「分権」、「都市経営」の3つとして、1.市民ニーズと協働を基準とする行政運営、2.情報化によるサービスの向上と業務プロセスの迅速化・高度化、3.地域行政機能の拡大・強化、4.局と区が自律的に運営できる仕組みづくりと局・区の機構の再編、5.職員の意欲に応えられる人事・給与制度、6.民間度チェックと最適なサービス供給主体の選択、7.外郭団体の自主的・自立的経営の促進の7つを市役所構造改革のための重点改革項目と位置づけ、個々の取組項目について平成18年度までの目標を明記し、推進する内容となっています。横浜市は一兆円を超える一般会計規模の巨大な政令都市ですので、個々の取組については参考にできない点もあるかと思います。しかし、これからの自治体経営の戦略のひとつとして、行財政改革を位置づけ実行されている考え方や、政策・財源・行政運営を連動させたその仕組みなどは長岡京市においても大変参考になると思います。長岡京市でも、近畿圏の中では先行している目標管理制度や人事評価制度、また事業別予算や行政評価などすばらしい個々のアイテムが存在しているのですから、これらが「長岡京市行政管理システム」として連動して機能することで、長岡京市の自治体経営が「行政管理型」から「行政経営型」へ、「政策経営型」へと一刻も早く変化していくことを願います。ただし、庁内あげて考えられうる行財政改革を実行しても、中長期的な財政見通しの結果、もし、実現が困難だと判断された場合は、その時点で「第三次総合計画」の見直しということも必要だと考えます。ここでは、3点の質問をさせていただきます。
【4】 使用料設定についての市の統一した考え方について、午前中の大畑議員の行政サービスコストの質問で市長より検討状況についての答弁がありましたが、ここではもう一歩踏みこんだ内容でお聞かせください。
【5】 先の12月議会で答弁されていた補助金チェックシートを作成した効果は、平成16年度予算編成において具体的にありましたでしょうか?金額については1日目の尾崎議員の質問で答弁がありましたので、ここでは職員さんの意識改革などにどのような効果があらわれたかお聞かせください。
【6】 平成16年度以降の行財政改革については、どのような方針で臨まれるのか、「第三次総合計画」や「中長期財政見通し」と関連付けながらお聞かせください。
次に、3番目の「組織のフラット化およびグループ制の導入について」であります。
平成15年度の予算審査にて“庁内組織改正の目的とプロセスおよび今後の庁内組織のあり方について資料要求し、回答いただきました。その予算審査特別委員会資料の中に、 “地方分権への移行や情報化、少子高齢化が進展し、また市民ニーズの多様化や低迷する社会経済環境を背景として、行政運営がますます厳しさを増し”、“ヒト、モノ、カネ、情報、時間などの限られた行政資源の中で、常に事業の目的や効果、効率性の観点から検証と見直しを進める視点が不可欠であり、そのためには、このような時代の要請や変化をより構造的に捉え、行政課題として対応しうる戦略的な組織改革を図る必要があり、今後従来の縦割り組織がもたらす負の環境を軽減するため、第3次総合計画体系に即し、政策主導による成果重視、目的指向型の行政運営がより機能しやすい体制を目指し、フラット化組織の導入と担当事務に関する権限委譲を合わせて図るよう、抜本的な見直しの必要性が問われている”と書かれています。民間企業では、意思決定の迅速化や責任の明確化、成果が見えやすいということから、大きなピラミッド型組織となっている縦型組織からフラット化組織への改革が1990年代後半から急激に進められてきました。自治体においては、静岡県が平成10年度から平成12年度にかけて段階的にフラット化を導入され、広島県では平成13年度から一斉に静岡県とほぼ同様の形態のフラット化を導入されています。また、2月の始めに会派で研修に行かせていただいた、大分県臼杵市では平成13年度と平成14年度に一部部署で試行の後、平成15年度より全庁にフラット型の組織としてグループ制が導入されました。臼杵市のグループ制は、1.係長、課長補佐の職員が実務担当者に組み込まれることによる実働職員数不足の解消、2.事務事業の平均的分担による事務事業格差及び事務繁閑格差の是正、3.職員の流動的協働体制と意思決定迅速化の確立、4.意欲的な職員の能力発揮の機会増加と労働意欲の促進の4つを目的に、組織・機構改革として係制を廃止し、それまで係単位で担当していた事務事業を課単位で担当し、課長が課の中での事務事業に対してグループを編成し、最適な人員配置を行えるようにしたものです。担当業務によってグループは編成されますが、グループという枠にとらわれることなく、職務内容によっては、課長の判断と指示で同一課内の他グループの職員が担当することを可能にしています。各課長には強力なリーダーシップが必要となりますが、そのマネジメント能力が十分発揮できる、また問われる組織になっていると思います。長岡京市では、平成15年度予算審査特別委員会資料の中にありますように、“フラット化組織の導入に伴う組織環境の激変は、これまでの事務執行の実状から長年培ってきた市の組織風土に、すぐさま溶け込みがたい現実もあるため、当面の組織改正として、平成15年度に現行のライン所管事務のうち、内部管理部門及び専門職域などにおいて、主として政策課題などの関連事務の一部を対象に、係から事務担当への体制に改め”られました。そこで、自治体経営を行っていくにふさわしい、あるべき組織体制が早期に実現されることを願い、3つの質問をいたします。
【7】 平成16年度からは政策主幹の配置が始まりますが、組織のフラット化やグループ制の必要性について、どのようにお考えかお聞かせください。
【8】 予算資料要求もさせていただいていますが、今年度行われた庁内組織改正の成果と課題についてお聞かせください。
【9】 2つ目の大きな質問でのこれからの行財政改革の方針にもかかわってくると思いますが、長岡京市の庁内組織の今後のあり方についての考え方と具体的な組織改正スケジュールについて教えてください。
4番目は「長岡京市環境美化の推進に関する条例案について」であります。
私は、平成15年の3月議会と9月議会において、来ていただける方に誇れる観光都市長岡京を目指すために、ポイ捨てゴミをどうすればなくせるかという観点で、歩きたばこやたばこの禁止条例や、たばこの吸殻や空き缶のポイ捨て禁止条例の制定の提案をしてきました。9月議会で紹介しましたように、東京都の港区では歩きたばこやたばこの吸殻のポイ捨てをなくすために罰則付きの条例を制定するのではなく、公共の場所への喫煙所の設置と吸殻の清掃を柱とする、路上喫煙しづらい環境を作るという取組を「みなとタバコルール」として行っています。その内容は、区内の主要駅を中心とする5地区をモデル地域に指定し、人通りの多い地点5カ所に喫煙所を設置し、地域住民や業界団体などによる啓発運動と民間委託による清掃活動を実施するものです。その取組のモデル地域第1号に指定された、区内で最も乗降客の多い新橋駅周辺での実施結果は、たばこのポイ捨て本数を月別1日平均で見ると、実施前の7月にはSL広場で971本、桜田公園で774本あったものが、実施された8月にはSL広場で250本、桜田公園で150本、9月から12月までを見てもSL広場では月平均293本、桜田公園では月平均171本と大きな効果をあげているようです。昨年の3月議会では、その時点で大きな成果が得られていた、罰則付きの歩きたばこ禁止条例である東京都千代田区での事例を紹介しましたが、6月に会派で千代田区に視察させていただいたときに、区職員が見回らなかった1月年始に大幅にたばこのポイ捨てが増加したことや区職員さんの業務量を聞き、罰則規定の条例ではマナー向上にはあまり役立たないのではと感じています。この議会での議案提出が見送られた長岡京市の環境美化条例をよりよいものとするために、ここでは4点の質問をさせていただきます。
【10】 市民の方からいただいた環境美化条例案に対するパブリックコメントを、広報やホームページで公開するべきだと考えますが、いかがでしょうか?
【11】 環境美化推進条例案のたばこの吸殻のポイ捨て防止の部分に関しては、東京都千代田区などの罰則付き条例制定よりも、長期的に見た場合、東京都港区の「みなとタバコルール」のような、地域ぐるみでマナー向上を目指す条例内容のほうがよいと思いますがいかがでしょうか?
【12】 環境美化条例の検討のための生活環境審議会のメンバーは、どのような構成を考えているのでしょうか?
【13】 環境美化条例制定へ向けた、今後のスケジュールについてお聞かせください。
最後に、5番目の「学校間較差への対応について」です。
2月23日付けの京都新聞洛西ワイド面に「長岡京の2校区・住宅開発集中・児童増え教室不足が深刻」という記事が掲載されました。この先の5年間で、市内の児童が住民基本台帳をもとに約350人増える見込みで、すでに平成16年度から長岡第五小学校では郷土資料室を、長岡第八小学校では教材室と備蓄室を普通教室に変えるとありました。しかしながらこの数字は、宅地開発などによる増加を含んでいませんので、第五小学校区ではオムロン研究所跡地でのまとまった宅地開発計画や他の地域でも宅地開発が進められていますので、実際は350人よりも増えるものと思われます。この児童数の増加に対して、京都新聞の記事では教育長の意向として、“「施設面で地域格差があることは好ましくない」としたうえで「単に線引きを変えるのではなく、隣接の学校も選択できるのが望ましい」”と通学区域弾力化で対応すると書かれていました。しかしながら、現時点での小学校の通学区域弾力化は平成18年度からの中学校での実施状況を確認してからの検討ということになっていますので、このタイミングでは通学区域弾力化での対応は間に合わないのではないでしょうか。私も通学区域の弾力化、すなわち学校選択制に関しては、学校教育に対する社会的なニーズの多様化に対応し、公立学校システムの多様化と質向上を推し進めるために必要なものと考えています。お隣の向日市では、平成14年度から中学校において調整区域内での通学区域弾力化に始まり、この4月からは全小学校において市内全域から選ぶことが可能な学校選択制がスタートすると聞いておりますし、若干趣旨は異なりますが、同じく4月から京都府立洛北高校付属中学校や京都市立西京(さいきょう)高校付属中学校では、それぞれ府内全域、市内全域を通学区域とする中高一貫教育がスタートすることになっています。このように京都府内で既に学校選択制がスタートされていく中、保護者の方の理解も必要ですが、長岡京市でも早期の通学区域弾力化の導入へ向けた取組の加速が必要ではないでしょうか。ここでは4点質問いたします。
【14】 第五小学校や第八小学校で普通教室に変えることとなった郷土資料室や教材室、備蓄室は学校内のどこへ移転されるのでしょうか?
【15】 この先5年間で住民基本台帳をもとに見込まれる児童数が約350人増えた場合、卒業する児童数も考慮して、これから各小学校で普通教室の数は足りるのでしょうか?足りない小学校があれば、年度毎にどの小学校でどれくらい発生するのか教えてください。
【16】 この児童数の増加への対応として、小学校における学校選択制の導入スケジュールを前倒しする計画なのでしょうか?または、当面は通学区域の変更だけで対応されるのでしょうか、お聞かせください。
【17】 児童数の増加に伴い、留守家庭児童会の児童数も増加すると考えられますが、具体的な対応策はすでに検討されているのでしょうか?
以上で1回目の質問を終わらせていただきます。
理事者の皆様におかれましては、明確かつ簡潔なご答弁をお願いいたします。